芸人のGoogle検索数と出演回数は、需要と供給の関係か
検索回数は流行のバロメータ
流行語大賞に選ばれたら消えるのかを調べている過程で
Google流行語の方が納得できるという意見を多数目にしました。
データに基づく方が、多くの人が納得できるのは当たり前ですね。
多くの人が納得できるということは、
「検索回数」=「流行のバロメータ」と言い換えられるのかもしれません。
そんな流行のバロメータである検索回数と、
当サイトの出演データを組み合わせてみたら面白いかもと、ふと思いました。
流行のバロメータであると同時に、
検索数を視聴者からの「需要」、出演回数は放送局からの「供給」ととらえれば、
需要と供給のバランスを見て取れるかもしれません。
そういう需要と供給が大きく変動するといえば、
お笑い芸人やタレントでしょうか。
一発屋なら特に変動が大きそうです。
今日は、最近ブレイクしたお笑い芸人を対象として、検索数と出演数の推移の比較をしてみました。
対象は2014年以降でブレイクした芸人の出演回数と検索数の推移を比較です。
ブレイク芸人の需要と供給の推移
日本エレキテル連合
「ダメよ~、ダメダメ」で2014年の流行語大賞を獲得。
グラフを見ると検索のピークは2014年9月で、出演のピークは2014年12月。
検索数の増加・減少の後に数ヶ月遅れて出演回数が同様の推移をたどっています。
一見して相関がありそうです。
需要に遅れて供給が追いつき、供給過剰になって、供給も衰えていく、
といった感じでしょうか。
クマムシ
こちらも日本エレキテル連合と同じ傾向です。
※「クマムシ」は緩歩動物という生物なので、検索数には生き物を調べた回数が入っていると思います。
2014年4月に出演データがありますが、このときは「あったかいんだから」以前で、
検索数に何の影響も与えていません。
Wikipediaによると、2014年9月の「アメトーーク!」で「あったかいんだから」の唄を披露したのがブレイクのきっかけのようです。
検索数に反映されるのは2015年1月。ここで爆発的に増加しています。
エレキテル連合と同様、出演回数は検索数に追従しています。
このまま低下していくのかと思いきや、10月11月は復調の兆しがあります。
持ちネタが活かせる季節になってきたからでしょうか。
8.6秒バズーカー
ピーク時の検索数は122万回(2015年4月)。
出演のピークが2015年3月なので、上の2名とは違って先に出演回数がピークを迎えています。
検索キーワードに「ラッスンゴレライ」を追加するとこちら。
グラフでは、「ラッスンゴレライ」の検索に出演回数が追従しているのが見て取れます。
ラッスンゴレライのピークは2015年1月・2月。
月間224万回というすごい数字です。
2015年4月、コンビ名での検索数がピークを迎えたのは、まさしく炎上した頃です。
出演回数の伸びも急激なら、落ちるカーブも急激でした。
クマムシや日本エレキテル連合と較べてもカーブが急です。
最近は出演回数が0回の月もあります。
炎上を受けて、番組サイトがキャスティングを控えているのかも。
とにかく明るい安村
「安心してください・・・」のネタで2015年の流行語大賞トップテンに選ばれました。
ピーク時の検索数は約30万回、ラッスンの約7分の1です。
流行語になぜラッスンゴレライが選ばれなかったのか、不思議でなりません。
下半期の方が採用されやすいのでしょうか。
それとも、8.6秒のバズーカーの炎上の影響でしょうか。
とにかく明るい安村のグラフも、他の芸能人と同様、検索数に出演数が追従していますが、
11月に出演回数が上昇に転じているのが違うところ。
私は知らないのですが、何かしらの方向転換を図ったのでしょうか。
あばれる君
出演回数は右肩あがり。
2015年11月に月間20回に到達しました。
ここまで登場した芸能人で月間20回に達したのは、
エレキテル連合のみで、それもピーク時の1ヶ月だけ。
エレキテル連合は半年でピークに達しましたが、
あばれる君は2年かけて上下に触れながらじわじわ上がってきました。
地に足が付いている感じで、今後も伸びそうな雰囲気です。
検索回数の方は2015年3月がピークで、以後減少しています。
ピークまでは検索と出演が同じような傾向ですが、ピーク以後は出演回数が検索数を引き離しています。
新鮮味がなくなったのかもしれませんし、存在が一般に認知されて、検索される数が減ったのかもしれません。
そもそも検索数はピーク時で月間13万回程度ですので、かなり少ないです。
ピスタチオ
当然ですが「ピスタチオ」の検索回数には食べ物のピスタチオを含んでいます。
検索のピークは2015年1月。出演回数はかなり遅れて2015年7月にやっと9回です。
ネタを真似する芸人も多数いて、かなりブレイクした印象はあるピスタチオ。
検索数もとにかく明るい安村と同程度の35万回に達していますが、番組表への表記には至らなかったようです。
ウーマンラッシュアワー
2013年の年末のTHE MANZAIで優勝してブレイクしたので、その頃に検索数が急上昇。
以後は減少していっています。
出演回数の方は、検索数の低下に関係なく上昇し、
「バイキング」などのレギュラーも得て月間30回以上をキープ。
月間30回は、さまぁ~ず、雨上がり決死隊、今田耕司などのベテランと同程度なので、かなりのレベルです。
ただし2015年10月、11月は出演回数が急減しています。
これは休みを取ってるのか、何かあったのか。
炎上ばかりしているので話題には事欠きませんが、出演回数現象の理由はよく分かりませんでした。
おかずクラブ
2015年元旦の「ぐるナイ」がブレイクのきっかけだったようです。
番組表初登場の2015年5月で10回になっているので、2015年の初めは番組表に名前が出てなかったのだと思います。
ピーク時(2015年6月)の検索数は25万回。
今後ウーマンラッシュアワーのように伸びるか、今が正念場といったところでしょうか。
どぶろっく
出演回数は2014年の6月に最初のピークがあり、半年後の12月に2回目のピークがあります。
「もしかしてだけど」のネタは長期間使っているので、飽きられているのか出演回数も検索数もここ半年はかなりの低水準です。
ただ他の一発ネタの芸人に比べると息は長いです。
検索はピーク時で20万回と少なめなのも特徴。
検索数があまり急上昇しないほうが、飽きられにくく、長く出続けられるのかもしれません。
厚切りジェイソン
2015年を代表するブレイク芸人のひとりと言えるでしょう。
ピーク後は減少してはいますが、エレキテル連合などに比べるとカーブは緩やか。
会社役員で高学歴ですので、ハーバード大卒でパックンのような教養ある芸人としての位置に収まっていくのかもしれません。
トレンディエンジェル
この記事を書いている途中、
気づいたらM-1グランプリで敗者復活から優勝してました。
2014年、年末のTHE MANZAIで準優勝したのがブレイクのきっかけとなりましたが、
検索数は急増したものの、検索数は約14万回と低め。
すぐに低下した上、出演回数にも対して影響はなかったようです。
ジワジワ上がってきたところでM-1の優勝。
さらにブレイクするのは間違いないでしょう。
パンサー
2013年にブレイクしたお笑いトリオのパンサー。
ちょうどこのグラフの左端の方がピークでした。
出演回数50回オーバーはかなりの高水準。
2014年の夏に出演回数は2回目のピークがありますが、
それを除くと検索数と出演回数が、きれいにそろって落ちていってます。
ブレイク時も1年以上かけてピークまで伸びましたが、
伸びるのがゆっくりだと落ちるのもゆっくりになるようです。
検索数と出演回数は概ね同じ傾向
8.6秒バズーカーがブレイクしたとき、歌ネタは一発屋に終わるとよく言われていましたが、
別に歌ネタ・リズムネタに限らず、ネタ一発で売れた芸人は消える運命のようです。
検索数が減っても出演回数が減らない芸人は、実力があると言えかもしれません。
そして人気が高まるのが早ければ、飽きられるのも早い。
データについて
検索数はGoogleのデータを使用しています。
期間はデータが取れた2013年11月~2015年10月です。
出演回数は2013年11月~2015年11月、放送時間10分以下の番組を除く全日の番組を対象としました。(東京地区)